東京都学校教育相談研究会 会長 小泉 一弘
会長3年目となりました、世田谷区立山野小学校 校長 小泉一弘です。本年度もどうぞよろしくお願いいたします。本研究会開催の事業には、昨年度もたいへん多くの皆様にご参加いただきました。心より感謝申し上げます。ありがとうございました。
さて、とても残念なことではありますが、最近、未成年者による重大な犯罪が報道されることが多くなったと感じています。その内容を見ると、加害者となった子供たちの判断力は、なぜここまで下がってしまったのだろうと疑問を抱くとともに、なんともつらく悲しい気持ちにもなります。私たち大人は、人を傷付けることは決して許されないというあたりまえの価値観を育てていなかったり、自ら判断する機会を奪ったりはしてこなかっただろうかと考えてしまうことがあるからです。大人は、「だめなものは、だめ。」と毅然とした態度で子供たちに伝えているでしょうか。子供たちの、学習環境や友人関係などを必要以上に調整していないでしょうか。指導すべきこと躊躇していないでしょうか。学校教育に対する保護者の期待や要望も大きく変化していると感じる昨今、教育に携わる私たちが果たすべき役割、さらにその難しさを増しているのかもしれません。
「子供のうちに小さな傷をつくっておくことは、大人になってからの大けがを予防する。」と言われることがありますが、身体的にも精神的にも確かにその傾向はあると思います。小さな傷にも痛みは伴いますが、子供は手当の仕方や立ち直り方を知り、けがに気を付けるようにもなるはずです。子供の周りにある「困難」をすべて排除することが正しいとは思えません。寄り添うことと甘やかすことは違います。受容することとなんでも許容することは違います。一方で、子供たちの心と体を守っていくうえで、絶対に必要となる支援もあるはずです。子供たちの健全育成のためには、一人一人の子供に対し、「社会の中で自立して生きていくために、今、この子に本当に必要なサポートは何か?」ということを見極めていくことが重要だと考えます。この見極めを確かなものとして、本当に必要な指導・支援をしていくために、本研究会の取組が少しでも役に立つことがあれば幸いです。
今年度も6月には総会・特別講演会を開催しました。今後は、夏期研究大会における記念講演と各講座、校種別研究会等の事業を企画・運営してまいります。参加者の皆様の課題解決に役立つような、また、参加者同士が校種の垣根を越えて意義深い交流ができるような企画・運営を心がけたいと思っています。ぜひ、多くの方に関心をもっていただき、参加していただければ幸いです。
おわりに、本研究会が主催する事業について多大なご理解とご協力をいただいております東京都教育委員会並びに各区市町村教育委員会の皆様に心より感謝申し上げます。本研究会は、すべての園、学校が幼児・児童・生徒にとっての安心できる居場所となることを目指して、今後も研究・研修の充実を図っていきます。引き続きご指導、ご支援を賜りますようお願い申し上げます。